rukiさんの作品の続きになります。
今のわしら、向かう所敵なしじゃ!この強気な発言は先程成したツインソウルに所以する。それはあまりに唐突に起き、二人を困惑させた。発動条件こそよくわからなかったがこの、ツインソウルの恩恵は無視できない。目にこそ見えないが身体を覆う魔力は通常時の力を増幅させているようだ、とウータは思った。そしてまた、今なら非力な自分でも前線に出られるのではと思う程に自身に宿る風の力を強く感じる。現に今、獣の群れを相手に競り負けていない現状がそれを示している。ステルスロック、相手の周りに無数の岩を浮かべるピティに合わせ強烈な風を送る。無数の獣と共に巻き込まれた岩は暴風の中で良いダメージ元になり得るだろう。多勢の襲撃を受けあっという間に制圧がなされたのは誇っても良い程ではなかろうか。やりましたね!と大きな口をあけ笑顔を輝かせる相棒をみて嬉しくなる。ツインソウルをおこすにはパートナーとの相性やらキズナやらが必要になるのだと風の噂に聞いた気がする、それはピティとの相性が良かったことへの証明となるのだから嬉しくならざるを得ない。翌日、昨日の成功もあって軽い気持ちで持ち場に着く。何事もなければそれが一番良いのだが、またツインソウルの高揚感を得られるのなら悪人の一人や二人くらいなら……と油断していたのが良くなかった。突如視界の端に現れた異界人に先手をとられ、頬に一線の血が滲む。よく現れてくれたものだと口角をあげる。
「ピティ、ツインソウルじゃ!一気に片してしまえ!」
「任せてください!……ええと、あれっ?」
どうなっとる、はよせんか!一向に変わる様子のない二人の様子に焦るウータの言葉もきつくなり、また微かにだがピティにも焦りの表情が浮かび始める。怒りの粉で注意を引くもそろそろ限界だろう、咄嗟に構えていた痺れ粉をナイフに塗し、直接的な攻撃へと切り替える。徐々に動きが鈍くなっていく異界人の背後、焦りによって感情が揺らぎ、呪いの影響で手に枷のかかったピティが大きく腕を振り上げ脳天を殴りつけ、意識を失った荒くれ者の異界人の様子にほっと息をつく。咄嗟の判断で攻撃の補助に切り替えたピティの判断は最善であったと思いピティの様子を伺うも、ごめんなさいと少し沈んだ様子を見せられる。ツインソウルの条件は、いったい何なのであろうか。自身も少しばかり期待していただけに落ち込む気持ちは多少分かってしまう。しかしそればかり考えていても先にはすすめまい、とピティに声をかける。――――――、戻るぞ。一度は出来たのだから不可能ではないのだ、この相棒とはまだ縁も浅い、二人でゆっくりとツインソウルに向き合っていけば良いか、と頭を切り替え拠点に戻るのであった。

ウータ@ロートが荒くれ者の異界人の襲撃を受けた!家畜は無事だが怪我を負ってしまった…。(+1)
rukiさん宅ピティさんお借りしています。